日本人は60%から70%の人が疲れていると言われるが、その原因は明らかになっていない部分が多い。この原因の特定されない疲労による経済損失は1.2兆円とも言われ、見過ごすことができない数値である。
私の研究室では疲労を“作業能率の低下”が起きた状況と定義している。この疲労は休むことを警告する健全な体からのアラームであり、多数の病気の下地(未病)となる。
体の3大アラームとして、“痛み”“発熱”そして“疲労”がある。発熱は体温という客観的な数値で計測でき、この原因とメカニズムが解明されれば、対策を講じることが可能であり、“疲労”もその原因とメカニズムを解明することが大切である。
これまで実態が曖昧であった疲労を作業効率の低下というものさしで計測することで“疲労を科学的に分析”し、その回復と予防の方法を明らかにすることが可能になる。
慢性疲労の脳内機構と遺伝子変化についての急速な研究進展の結果、今まで不明瞭であった疲労の姿が見えてきたことで、さまざまな癒し商品やサービスの開発につながる。
例えば、お風呂やアロマセラピーや笑いなど多くの人が行っている疲労回復方法の中で最も効果があるのは、緑の香りなどアロマセラピーということが分かってきた。このように、疲労のものさしが出来て、メカニズムが分かってくれば、何が、どのくらい、何故利くのかということが明らかになります。
このような「疲労定量化及び抗疲労医薬・食品開発プロジェクト」の成果が実りつつある現在、ロンドン大学の先生方とも連携をとり、私たちが健康な体で寿命を全うできるよう更に研究を進めたいと思います。 |